電子カルテダイナミクスは医師吉原正彦先生が開発されました。汎用ソフトであるマイクロソフトアクセスをベースに動き、しかもプログラムがオープンにされておりパワーユーザーであればカスタマイズも可能です。 通常電子カルテを導入する場合1端末あたり約100万円、通常のシステムで500万程度かかります。ダイナミクスはいわゆるソフト販売であり初期導入費用は約30万+パソコン+周辺器機代です。パソコン関連は自分で好きな物をそろえることができ、ハイスペックマシンで武装してもトータルコストをかなり抑えることができます。しかも1施設1ライセンスという良心的な設定であるため何台のパソコンにインストールすることが可能であり、端末の多い施設ではいっそうコストパフォーマンスが高くなります。 当院では受付、会計、事務室、予診室、第一診察室、第二診察室、処置室、検査室、院長室、デジタイザー、院長室、モバイル、サーバーと合計12台にインストールして使用しています。 ダイナミクスはただ単に安いだけのソフトではなく、レセコン機能はもとより電子カルテの機能も非常に完成度が高いです。2005年9月末のユーザー数は1392名と電子カルテシェアではNo.2からNo.1をうかがっています。そのユーザー数からもダイナミクスの評価が高いことが推察できるかと思います。 非常にコストパフォーマンスの高いダイナミクスではありますが、導入にはある程度のパソコン知識(特にLAN関連)が必用です。ただし、ある程度はskillの足りない分はwillでカバーしていくことができ、結局の所本人のやる気次第です。マイナートラブルに対処するためある程度のWINDOWSの知識、LANの知識は必用ですが本人にwillがあれば何とかなります。 大手のように手厚い出張サービスのような物はありませんが、メーリングリストが充実しており、サポート元の日立ソフテックのみならず、全国のユーザーが「サポート」してくれます。また、ダイナミクスの普及に従って全国各地でそれをサポートする地元業者も出て来ており、ダイナミクス研究会のホームページにありますので是非お読み下さい。当院の場合システム設定のサポートは地元の共立医科器械で、導入時のインストラクターはニチイ学館に御願いし、直前まで勤務医を続けるというハードスケジュールながらスムーズに開院することができました。 全て業者任せというのではダイナミクスの精神に反します(と私は思います)。基本的には自分で対処する姿勢が大切です。ダイナミクスがこれだけリーズナブルな価格で提供されているのはユーザーの自助努力によるものも求められているのだと思います。 開発者吉原正彦先生のページ http://www7a.biglobe.ne.jp/~dynamics/ 日立ソフテックホームページ http://www.hitachi-softec.jp/dyna/ ダイナミクス研究会ホームページ http://www.superdyn.jp/ |
ダイナミクスユーザーの多くが連動して使用しているのがこの医療情報ファイリングソフトRS_Baseです。これはダイナミクスユーザーの1人でもある山下郡司先生の開発されたフリーソフトで、患者情報を電子的にファイリングすることができます。 当院では心電図、X線、CT、血液データ、超音波、内視鏡、紹介状、書類関連等ありとあらゆる物を取り込んでファイリングしています。 当院では心電図はフロッピーから、X線フィルムはデジタイザーから、超音波、内視鏡はMOから、紹介状や書類はスキャナーから取り込んでいます。血液検査は外注検査は検査センターからフロッピーでもらい院内検査(末血、生化、CRP,検尿)はアークレー社のケアラボシステムを介して取り込んでいます。スパイロ、凝固、血液ガスについては手打ちで直接カルテに記録しています。 ファイリング方法は取り込み媒体を装入してほぼワンクリックの簡単操作で取り込むことができます。 取り込んだ結果はパソコンで参照するほかプリントアウトして紹介状に添付したりすることができます。当院ではクリアフォルダを使って患者さん用に「マイカルテ」フォルダーを作成し患者さんに検査データ、フィルムのプリントアウトした物等を渡しています。 もともとダイナユーザーの1人である山下先生が作られたのですからダイナミクスとの相性は抜群です。ダイナミクス側にも標準でRS_Baseへのリンクバーが付いています。デュアルディスプレーシステムの場合片方にダイナ、もう片方にRS_Baseを立ちあげ連動させて使うことも可能です。 RS_BaseはフリーソフトですがRS_Baseのメーリングリストに登録して山下先生にCD-ROMを送ってもらってから使用することができます。使用法はインターネットからマニュアルをダウンロードできる他、申しこみ時にDVDマニュアルを購入することができます。 RS_Baseホームページ http://www.rsbase.jp/RSB/ |